必要とされる

大山さんのお話編

 

今まで特別支援に関する講義をいくつか受けてきましたが、障がいのある人たちが学校を卒業した後、どのように社会で生きていくのかイメージが湧きませんでした。今回は生きていくうえで必要な「働いてお金を稼ぐ」ということの一例を知り自分の経験として語れたらいいなと思い、日本理化学工業さん(https://rikagaku.co.jp/)の工場見学に参加させてもらいました。

 

社長の大山さんのお話を聞いていて、まず印象に残ったことが日本理化学工業はあくまで利益を追求する一般企業であり、障がい者雇用は福祉・ボランティアのためにしているわけではないということです。障がいどうこうよりも「会社の○○(仕事の内容)職人」として従業員の皆さんを必要としているのです。必要とされていること、みんなでいい仕事をするという共通理解が従業員の責任感になり、生産性につながると考えました。

 

これらは大山さんにとっても従業員の方にとっても利益を上げるためであり、それぞれの得が原動力となっています。やはりどんなことも得があるから続いていると改めて感じました。

 

大山さん自身、会社で働き始めた当初は、「こんなことしていても…。このままじゃ会社の未来が不安だ」という思いもあったそうです。しかし、誰にでも得意不得意はあるし、できないことばかりに目向けたり、不満を人のせいにしたりしていては進歩がないという思いや過去60年の実績を信じて今の理化学になったとのことです。

 

大山さんの「私にはなにかを教えることなんてできない。でも、伝えることはできる」という言葉が印象に残りました。そして、伝えてくれたことが私たちの考える機会、学びになりました。